馬主としてのマクトゥーム家

競馬

マクトゥーム家はUAE(=アラブ首長国連邦)を構成する7つの首長国のうちの一つ、ドバイ首長国を治める一家。

 

前提知識: アラブ人名の表記方法

例: モハメド・ビン・ラーシド・アル=マクトゥーム

　「モハメド」 → イスム。英語圏で言うファーストネームに相当する。

　「ビン」 → ナサブ。「A ビン B」で「Bの息子のA」という意味、「A ビント B」で「Bの娘のA」という意味になる。

　「ラーシド」 → その人の父親のイスム。

　「アル=マクトゥーム」 → ニスバ。一族の名前。

　つまりこの名前は「マクトゥーム家のラーシドの息子のモハメド」という意味になる。重要なのは個人を指す語が一番最初に来るという点。つまり、彼のことを日本語で簡易に表記したいのならば「モハメド」とするのが適当。

　「シェイク/シェイカ」 → 敬称。日本語では「殿下/妃」「王子/王女」などと訳す。「シェイク・モハメド→モハメド殿下」「シェイカ・ヒッサ→ヒッサ王女」。

 

マクトゥーム家の家系図(一部抜粋)


ここから特筆すべき人物について紹介

 

モハメド・ビン・ラーシド・アル=マクトゥーム  Mohammed bin Rashid Al Maktoum

UAEの副大統領および首相にしてドバイの首長。競馬界ではゴドルフィン/ダーレーの代表として非常に有名。競馬以外にも航空、観光、石油など様々なビジネスに携わっている。「シェイク・モハメド/モハメド殿下」と言った時は彼のことを指す。現在の馬主名義は「Godolphin/ゴドルフィン」。代表所有馬はDubai Millennium、Hawkbill、Blue Point、Essential Qualityなど挙げればキリがない。

ドバイミレニアム

ディサイファ(以前の日本での勝負服)

 

ヒッサ・ビント・ハムダン・アル=マクトゥーム  Hissa bint Hamdan Al Maktoum

故ハムダン・ビン・ラーシド・アル=マクトゥームの娘、「シェイク・モハメド」の姪にあたる。現在のシャドウェルの代表。前代表のシェイク・ハムダンの逝去後、事業縮小といった不安なニュースもあったが、今のシャドウェルは以前以上に多くの活躍馬を輩出している。現在の馬主名義は「Shadwell Estate Company」。代表所有馬はBaaeed、Mostahdaf、Al Husnなど。

バーイード

 

ハムダン・ビン・モハメド・アル=マクトゥーム  Hamdan bin Mohammed Al Maktoum

「シェイク・モハメド」とその妃ヒンド・ビント・マクトゥーム・アル=マクトゥームとの間に生まれた息子。ドバイの皇太子を務めている。故ハムダン・ビン・ラーシド・アル=マクトゥームとは別人。「ファッツァ/Fazza」という名義で詩を書いており、また馬術選手としても実績を残している。馬主名義は「Sheikh Hamdan bin Mohammed Al Maktoum/H.H.シェイク・ハムダン」。代表所有馬はPalace PierやMonterossoなど。最近は日本でも活発に所有馬を出走させている。

パレスピア

エトヴプレ(日本での勝負服)

 

アフメド・ビン・ラーシド・アル=マクトゥーム  Ahmed bin Rashid Al Maktoum

「シェイク・モハメド」の末弟。ドバイ警察・公安の副委員長。中将。ジェベル・アリ競馬場の創設やドバイにおける競馬の体系整備などを行った実績がある。馬主名義は「Sheikh Ahmed Al Maktoum」。代表所有馬はMtoto、Addeybbなど。

アデイブ


ラーシド・ビン・ダルムーク・アル=マクトゥーム  Rashid bin Dalmook Al Maktoum

ドバイレーシングクラブ(=DRC)のチェアマンで、エミレーツレーシグオーソリティー(=ERA)の副チェアマン。「シェイク・モハメド」の祖父の弟の孫であり、娘の夫の弟。馬主名義は「Sheikh Rashid Dalmook Al Maktoum」。代表所有馬はRizeenaやPerfect Powerなど。

パーフェクトパワー

 

モハメド・ビン・オバイド・アル=マクトゥーム  Mohammed bin Obaid Al Maktoum

「シェイク・モハメド」の従兄弟と書かれた記事がいくつかあるが、調べた限りでは「シェイク・モハメド」の父や母の兄弟にオバイドという名の人物は見当たらず、恐らく祖父の弟の孫であり、妻の父の兄の息子(=従兄弟)。馬主名義は「Mohammed Obaid Al Maktoum」。代表所有馬はPostponedやWithout A Fightなど。

ウィズアウトアファイト

 

ハヤ・ビント・アル=フセイン  Haya bint Al Hussein

第3代ヨルダン国王フセイン1世の三女にして「シェイク・モハメド」の第2夫人であったが、現在は離婚し子供2人とイギリスで生活している。馬術選手としてシドニー五輪にヨルダン代表として出場。馬主名義は「HRH Princess Haya Of Jordan/H.R.H.プリンセス・ハヤ」。代表所有馬はNew ApproachやRaven's Passなど。

ニューアプローチ

サマリーズ(日本での勝負服)

 

ハムダン・ビン・ラーシド・アル=マクトゥーム  Hamdan bin Rashid Al Maktoum

故人。UAEの元副首相でドバイの元副首長。シャドウェルの創設者。「シェイク・モハメド」の次兄。ハムダン・ビン・モハメド・アル=マクトゥームとは別人。馬主名義は「Hamdan Al Maktoum」。代表所有馬はNashwan、Dayjurなど多数。

デイジュール

 

マクトゥーム・ビン・ラーシド・アル=マクトゥーム  Maktoum bin Rashid Al Maktoum

故人。UAEの元副大統領、元首相でドバイの元首長。「シェイク・モハメド」の長兄。馬主名義は「Maktoum Al Maktoum」。代表所有馬はStorming HomeやCadeaux Genereuxなど。

ストーミングホーム